
「うわ~!充電切れたー!!充電器貸して~」
「ごめん。iPhoneだから、無理。」
こんな悲しい事件に終止符が打たれる時代がやってきました!!
EU(欧州連合)で、スマホ~ノートPCまで、充電コネクタをUSB Type-Cに統一する法案がほぼ決まりました!!
なんと素晴らしい!あの煩わしさから開放され、スマートな電子ライフがやってきます!
EUで決まった充電コネクタの統一
まず、今回決まった法案の内容から
- 携帯デバイスの充電器がUSB Type-Cに統一。
- 急速充電もサポート。充電速度も統一。
- デバイスの購入時に充電ケーブルが付属しなくなる。
- 2024年秋までに開始予定!
なんと、素晴らしい!しかも、EUは10年も前からこの法案の準備をしていたそうです。
対象デバイスは、スマホ・タブレット・ノートPC・イヤフォン・ヘッドフォン・ヘッドセット・デジカメ・小型ゲーム機・ポータブルスピーカー・eリーダー等、ほぼ全ての携帯デバイスです。
この法令の目的は、
「EU圏内の製品をより持続可能にし、電子廃棄物を削減し、消費者の生活を助けるためのより広範囲なEUの取り組み」
ということです。
あとは、欧州議会とEU理事会で承認が必要ですが、ほぼ確実と言われています。
EUの無線機器指令の全文はコチラ(翻訳して読んでください)
仕事も旅行もお出かけも、モバイルバッテリーとUSB-Cのケーブルさえ持てばOK。
家の中もかなりスッキリするのではないでしょうか?
EUだけの法案で世界が変わる?
EUの見解は、
「既にほとんどのデバイスがUSB-Cになっている。
充電ポートが統一されることで、
・消費者が不要な充電器に費やしている年間2億5000ユーロ(約355億円)
・これまでに廃棄された年間1万1000トンの未使用の充電器が
減少できる。」
と言っています。SDGs的な考え方でとてもイイと思います。

この法案はEU圏内で適用されるものですが、
ヨーロッパ27カ国も集まったEUの世界的な影響力は強大です。
世界中に販売しているメーカーなら、アメリカだけ。EUだけ。日本だけ。と国・地域によって仕様・設計を変更するのは莫大な費用や時間など沢山の無駄が生まれます。
最初から、USB-Cで製品を設計するようになります。
つまり、EUでこの法律が始まれば、世界中のデバイスがUSB-Cになっていきます。
日本でも遅かれ早かれ、USB-Cの製品ばかりになると思われます。
どうするApple?
この法案で、窮地に追いやられたApple。
Apple製品は、いわずもがな「Lightning」ケーブルでの充電です。
最新のiphone13は「Lightning」搭載ですが、今後のApple製品はどうなっていくのでしょうか?
2022年9月23日頃に発売を予想されている「iPhone14」はどうなるのでしょうか?
EUでこの法案が正式に始まると2024年以降、iphoneなどのapple製品をユーロ圏で販売できなくなってしまいます。

EUの記者会見では、「Appleを標的にしているのか?」という質問に対し、欧州委員会のティエリー・ブルトン委員は
「規制はすべての人が対象。特定の人を対象とするものではない。
我々は、企業の為ではなく消費者のために働いている。」と答えました。
また、欧州議会のアレックス・アギウス・サリバ議員は、
「Appleは今後、自社製品をEU圏内で販売したいなら、この規則を順守し、デバイスをUSB-Cに対応しなければならない」と発言しています。
Appleは今まで、
「イノベーションを阻害する恐れがあり、消費者がLightningケーブルを捨てなければならなくなれば廃棄物が増える。」と、反対する姿勢を見せていました。
現在のところ、Appleから正式な発表はないのですが、
- LightningからUSB-Cへの変更は大掛かりなハードウェア設計の変更に数年が必要
- MFi(Made for iPhone)プログラムによる、サードパーティからの収益減少の可能性
- Ming-Chi Kuo氏「2023年下半期からUSB-Cに変更の可能性」
- BloombergのMark Gurman氏「USB-CとLightningの変換アダプタを新しいiphoneでテストしている」
これらの情報が上がってきています。
MFiプログラムは、lightningケーブルなどiphoneと互換性のある製品をサードパーティで作る時に必要なライセンス代です。
他社がiPhone用の製品を作り販売すればするほど、Appleにお金が入ってくるという仕組みです。
Appleの貴重な収入源ですが、
USB-Cになると、このMFi認証が必要なくなる為、Appleの収入が減るのは確実です。
まぁ、法律で決まってしまえUSB-Cにするか、無線のワイヤレス充電にするしかありません。
これらから考えると、iPhone14は今まで通りの「Lightning」だと思いますが、iPhone15くらいからはUSB-Cになるのではないかと言われています。
今後の日本で予想される事態-iphone率の高さ-
世界的にみると圧倒的にAndroidが多いですが、
Appleはアメリカと日本で莫大なシェアを誇っています。

特に、日本はApple大好きで有名で、発売日のAppleStoreの行列などは海外でもニュースになるほどです。
Apple製品がUSB-Cになると日本ではどのようなことが起こるのでしょうか?
今iphoneを使用している人は、もれなくLightningケーブルなので、充電器の買い替えを余儀なくされます。
また、今までは、壊れるまで使い続けて居た人達でも周りがUSB-Cを使っていることで、USB-CのiPhoneに買い替えを検討する人も現れるでしょう。
今まで、中古のiPhoneを購入してスマホ代を安く済ませていた人たちも最新iPhoneを購入するようになります。
iPhoneに限らず、イヤホン・デジカメ等のデバイスも、一斉に買い替え需要が増えること間違いなしです。
一気にUSB-Cケーブルの需要が高まる事が予想されます。
また、数年後には、USB-Cだらけになった日本で、少数の人しか持っていない希少になったLightningケーブルがメルカリ・ヤフオクのような場所で、高値で取引される可能性もあります。
一方で、安いUSBケーブルが大量に出回り、粗悪品を使用する人も増えると思います。
粗悪品での給電により、本体側の寿命も縮まり、買い替え期間が短くなる人もいると思います。
充電器・接続ケーブルが一緒ならということでAndroidに移行する人・両方持ちする人など、OS間の行き来もしやすくなります。
いずれにせよ、デバイスの周辺機器の需要が高まると予想されます。
- 日本で発売されるデバイスも全てUSB-Cになる。
- 現行iPhoneの人たちがUSB-CのiPhoneに一気に買い替える。
- 充電・接続ケーブルが一緒になることで、OS間の行き来がしやすくなる。
- 純正品を使わなくて良くなる一方、粗悪品が出回る。
- 数年後。希少になったLightningケーブルが高値で売買される。
- 中古のiPhoneが売れにくくなる。
こういった影響力の大きい法律が変わる時は、大きく世界のお金も動きます。
つまり投資のビッグチャンスです。
私は「Anker」「Sumsung」「Apple」など周辺機器メーカー・機器メーカーの株価動向に注目していきたいと思います。